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僕はね、終わった後にくだらなかったって笑い飛ばせるような楽しい旅がしたいんだ。
葬送のフリーレン11話より
葬送のフリーレンの劇中でヒンメルという登場人物が「生きて帰れるかどうか分からないのに、こんなくだらないことをしていて良いのか?」という仲間の言葉に対して発した台詞。
このセリフの抜き出しだけでは魅力が伝わらないかも知れないが、精神的な余裕に満ちた素晴らしい名言だと思う。
人間(生物)は基本的に無駄を嫌うのではないだろうか。無駄なことをしていたら食料も安全も手に入らない。効率よく、楽に必要な資源を手に入れた方が生存に有利だ。
しかし、それで何が残るだろう。これは資源を手に入れられた/手に入れられるであろうからこその贅沢な悩みだろうが、今の豊かな時代を生きる人間にとってはこの「くだらないこと」そして「くだらないことを誰かと共有して楽しんだ」ことが大切なのではないか。
子どもの変顔を見て一緒に笑う、なんとくだらないことだろう。延々と付き合うのは辛いと思うこともある。でも、なんて幸せなんだろう。小さな我が子はこの瞬間を覚えていないだろうから後に人と語り合うことも出来ない。でも、きっと記憶が未来の自分とその幸せな瞬間を共有してくれる。
きっとこんな一幕はロングショットで見ても喜劇ですらない。私は勇者一行として魔王を倒すこともない。そんなくだらない旅を、楽しみたい。