学費の準備を考える

前回、学費の準備方法として学資保険を思い立ってシミュレーションしてみたが利用を断念した。今回は、代替手段を考えてみる。

ライトバージョンとして一旦以下の項目を確認する。

  1. いくら準備するか
  2. いつまでにいくら準備するか
  3. 何で準備するか

ライトバージョンなので、現行の制度を前提として検討することとする。ただし手段の検討に当たっては実績よりも多少悲観的に見積もりを行う。

1.いくら準備するか

調べてみると、なんと都立大は無償化されているらしい。入学金も都民なので約15万円となり何とかなるレベル。これはありがたい!心配せんでええやん!解散!

と言いたいところではあるが、進学先の候補が都立大学のみというのも幅が狭すぎるので国立大学をいくつか眺めてみた所、おおよそ入学金30万円、授業料年額50万円という感じだった。

私立大学になると文系でもおおよそ入学金20万円、授業料年額120万円。理系だと授業料年額が170万円ほどのようだ。※薬学部と医学部、美大等は一旦置いておくことにする。

私の中で理系に行くなら国公立頑張れ、と子供に言ってしまうのはアリなので、ここでは私立文系までを準備の対象とする。(私立理系に行くなら家にお金がない場合差額は奨学金で頑張れ!!)

授業料は月額に直すと10万円。これを毎月フロー(給料等)から出せれば問題ないが、なかなかの額である。

少し前の時期に目を向けると大学受験の予備校も年間50万円ほど見ておいた方が良いようだ。すると、予備校費用をフローで捻出できる家計状況であれば私立文系の授業料はそれにプラスして年間70万円、4年間では280万円、入学金を合わせると300万円。

予備校費用等も払えない状況を想定するとシミュレーションがややこしくなるので、大学入学までに300万円を準備する、これを目標にしたい。(私立中学の授業料も50万円程のようなのでここが出せないとなると進学イメージも違って来てしまう。予備校に本格的に通うであろう高校は無償化されている。)

2.いつまでにいくら準備するか

前の項で一応の答えが出てしまった。大学入学までに300万円である。ただ、これを直線的に貯めるのかどうかも検討が必要だ。

検討に当たって、家族の年齢を一覧化したいわゆるライフイベント表を作ってみた。ライフイベント表を眺めてみると、中学受験をする場合お金がかからない、かつ二馬力で働く期間がほぼないことが判明した。(現在検討している学費は第三子のもので第一子と年齢差があるため)

ということで、我が家においては直線的に(毎月均等に)お金を支出する形を採ることになる。

300万円を18年間で割ると約16万7千円、更に12ヶ月で割ると約1万4千円になる。

ここまで書いてきて今更気付いたのだが、2024年10月に児童手当が拡充されるらしい。第三子以降は毎月3万円もらえるそうで、これを貯めていくと600万円を超える。え、すごくない?解決したじゃん。

なんと、児童手当の半分を貯めていけば大学入学までに300万円貯められることがわかってしまった。(グダグダやな…)第三子繰上げ問題というものがあるそうで我が家の第三子も途中で第二子扱いになるようだが、それでも1万円貰えるので(※総額は600万円超え)無問題だろう。

3.何で準備するか

児童手当を忘れていたので学費準備にナーバスになっていたが、どうやら児童手当を使い込まなければ問題はなさそうである。やるじゃん、ニッポン。大変ありがたい。ありがとうございます。

当初の記事の趣旨はどこかに行ってしまったが、これはどうやらある程度リスクが取れそうである。そして夢のある話を考えることが出来そうだ。

リスクを取るといえば株式投資。価格変動リスクが大きいものは出費の時期が決まっている用途には向かない説もあるが株式100%でない投信もあるので、ひとまずこれらのデータを見ていく。口座としては数年前までであれば何も考えずにジュニアNISAで良かったと思うが、なくなってしまったので新NISAが良いだろう。(子供の学費を親が出しても贈与税はかからないので以前から親のNISA口座を使っておけばOKだったのだが、何となく教育費がいくら貯められているか分かりやすいので第一子と第二子はジュニアNISAを使った。)

幸運にも(?)枠はほぼ満額余っているので、まず一括投資を検討していく。以下のシミュレーターを使用した。リスクの観点がある点が優れていると思う。参考値が選択できるのも面白い。

https://www.am.mufg.jp/tool/simulation_ikkatsu.html

名称リターンリスク
全世界株式(オール・カントリー)※16.32%19.76%1988万2015万911万
バランス(8資産均等型)※7.54%10.30%408万370万265万
試算A5%20%266万241万110万
試算B3%10%194万170万123万
※eMAXISの設定来実績、◯=上位30%、△=想定、✕=下位30%

元本100万円を全世界株式(オール・カントリー)で運用し、実績と同じくらいのリターンを得られたら2015万円ほどになる想定となっている。流石に出来過ぎだと思うが、これを見てしまうと株式に投資したくなってくる。

今回は2パターンをシミュレーションした。試算Aはリターンを5%、リスクを20%とした。(株式への投資をイメージしている。)こちらは初期投資100万円であれば241万円ほどになる予測となった。初期投資を125万円にすると想定リターンが301万円になる。

試算Bはリターンを3%、リスクを10%とした。(バランス型への投資をイメージしている。)こちらは初期投資100万円であれば213万円ほどになる予測となった。初期投資を175万円にすると想定リターンが298万円になる。

なお、全世界株式(オール・カントリー)の実績値を用いてシミュレーションすると、元本15万円で300万円となる予測になる。そんな馬鹿な。

実際これはかなり成績の良い期間が切り取られていると考えて良く、現実的とは思えない。2002年9月末~2022年9月末の20年間の海外株式のリターンは11.1%だという。(参考:https://www.smtam.jp/guide/management/risk/)

以上の試算A、Bは数字的には多少悲観的とも言えるかも知れないが、依然楽観的でもあると思う。ただ、大学入学までは18年あるので順調に行かなかったら軌道修正すれば良いのだ。幸い、現行制度では原資も確保できる。(児童手当)

ということで、投資信託を軸に学費を準備することにした。一括でシミュレーションしたが懐が寂しめなのと胆力の問題で積立も考えたい。長期投資の恩恵というものが過去を見る限り存在するので、無理のない範囲で初期投資を行い残りを積み立てる方向で検討していく。

4.まとめ(方針)

  • 大学入学までに300万円を用意する
  • 大学の学費は学校によっては無償化されている
  • 児童手当を学費として貯めていくことで大学の学費問題は解決に大きく近づく
  • 投資信託に投資をすることで大きなリターンが得られる可能性があるため第1候補とする。

もともと投資信託が好きなので結論はそれに引っ張られた感があるが、情報を整理していく過程で児童手当の存在を思い出したり学費負担の軽減制度を知ることが出来てかなり教育費への不安感が少なくなった。そういう意味で収穫があったと感じる。投信にも色々あるので、今後どのような投信にするかを別途検討したい。

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