放送大学_心理学に関する資格

以前心理学系の科目選択について調べた際には心理学(臨床心理学)エキスパートと認定心理士をターゲットにした。しかし、放送大学で目指せる心理学に関する資格としては他に公認心理師がある。この公認心理師資格取得を視野に入れた履修方法について考えたい。公式サイトには臨床心理士という資格も挙げられているが、こちらは修士課程の話なので今回は省略する。

公認心理師になるには主にAB2つのルートがあり、Aルートの場合は修士課程で学ぶことが必要になる。だが、Bルートであれば学士過程での単位取得により認定施設での実務経験を経ることで試験の受験が可能になる。

認定施設での実務経験というハードルがあるが、単位の取り方によっては大学での学びのみで公認心理師になる可能性を残すことが出来るのだ。今回は、この単位履修について考えていきたい。

※細心の注意を払っていますがミスもありうるので、出願や履修登録等の際は必ず自らの責任で公式情報を参照して確認を行って下さい。

留意点

公認心理師の学部過程では「心理演習」「心理実習」が必修とされており、放送大学でこれらを履修するには選考が必要になる。この選考は倍率20倍前後と非常に狭き門であり確実に資格を取得したいのであれば代替案を探っておいた方が良いかも知れない。選考には課題レポート、選考料、事前の指定科目の履修が必須となっている。

また、「心理演習」「心理実習」は面接授業になるので受講のタイミング等が自由な放送科目よりも履修のハードル自体が上がる可能性があると考えて良い。

更に心理学エキスパートと認定心理士よりも履修すべき科目がキッチリ決まっていて、裁量がほとんどない。興味を持ったことを学ぶか資格取得を目指すのかは履修計画を練る前に明確にした方が良い。

科目比較表

公認心理師の大学過程で修めるべき科目を一覧化した。また、その科目が認定心理士、各エキスパート過程ではどのように扱われるかを表形式でまとめた。凡例は表の下部を参照。

公認心理師認定心理士臨床心理学E心理学E
心理職の専門性(’20)
心理学概論(’24)a基
臨床心理学概論(’20)g基/a副
心理学研究法(’20)b基
心理学統計法(’21)b基
心理学実験1, 2, 3c基
心理学実験(基礎)c基
知覚・認知心理学(’23)d基
学習・言語心理学(’21)d基
感情・人格心理学(’21)g基
神経・生理心理学(’22)e基
社会・集団・家族心理学(’20)h基
発達心理学概論(’17)f基/a副
障害者・障害児心理学(’21)g基
心理的アセスメント(’20)g基
心理カウンセリング序説(’21)g基
今日のメンタルヘルス(’23)g副
福祉心理学(’21)g基
教育・学校心理学(’20)a基/f基
司法・犯罪心理学(’20)g基
産業・組織心理学(’20)h基
人体の構造と機能(’22)
疾病の成立と回復促進(’21)
精神疾患とその治療(’20)g副
心理臨床における法・倫理・制度(’21)
認定心理士についてはどの領域に属する科目か記載。その他●=必修、◎=選択必修、◯=要件

各過程の履修要件との比較

認定心理士

公認心理師の大学過程で修めるべき科目を学ぶと認定心理士の要件をすべて満たす

臨床心理学エキスパート(臨床心理学基礎プラン)

公認心理師の大学過程で修めるべき科目のみだと選択必修科目の単位数が足りない。その他の要件(必修科目と全体単位)は満たすので、選択必修科目を5科目分履修することでエキスパート認定を申請できる。具体的には、以下の科目から5つを選択して履修する必要がある。

思春期 ・ 青年期の心理臨床 (’19)、精神分析とユング心理学 (’23)、認知行動療法 (’20) 、乳幼児 ・ 児童の心理臨床 (’17)、中高年の心理臨床 (’20)、イメージの力 (’24)

心理学エキスパート(心理学基礎プラン)

公認心理師の大学過程で修めるべき科目を学ぶと心理学エキスパートの要件をすべて満たす

まとめ

公認心理師を目指す場合、特に意識をしなくても認定心理士と心理学エキスパートの申請のための要件を満たす事が分かった。一兎を追うことで三兎を得ることが出来るわけで、考えようによってはとてもお得だ。

公認心理師資格を取得したいが実務経験を積む機会に恵まれないという状況になったとしても認定心理士と放送大学の心理学エキスパートという資格(肩書)は得られると言うことも出来る。

臨床心理学エキスパートは追加で5科目履修する必要があるが、当然その科目も卒業に必要な単位としてカウントできるので、無駄取りにはならない。興味があれば挑戦すると良いだろう。

放送大学で心理学系の資格を取得することに興味がある方の参考になれば幸いだ。

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