1分間ピケティ 「21世紀の資本論」を理解する77の理論

気になっていたピケティ。1分間◯◯というのはシリーズ化されているらしく、手軽に名著に触れられるというのがコンセプトであろう。とても読みやすく、サクサク読めた。

いわゆる要約書だと思うのでそれを更に要約するというのは不思議な作業だが、復習を兼ねて、また自分で見返せるように自分なりに解釈した内容を記録しておこうと思う。

労働者への提言:教育により自身の労働価値を高めよ

経済の仕組みに関して:資本主義においては富は集中し格差が広まる、経済成長により格差は小さくなる

政治への提言:再分配を積極的に行え(資産税の導入、累進課税の強化、国際協調によるタックスヘイブン対策、最低賃金の引き上げ)

単純労働を脱すること、資本を活用することが個人に出来ることになるだろうか。資本の活用についても規模が大きい方が有利であることが述べられていたが、まずは舞台に上がらねば仕方がない。

有名ではないが個人的に印象に残ったのは以下の二点。

1.途上国の高い経済成長は一時的で先進国に近づくと落ち着く

2.教育投資か資本の蓄積かという視点

ただし、2はピケティでなく本書の著者の読者への投げかけかも知れない。

1について、投資を行っている者にとって参考になる視点だと思った。数十年前の日本や近年の中国の経済的失速を思い出すと、投資対象について示唆深いと感じる。

2について、最近教育費について考えていたので資本を残すという観点をもう一歩考えてみたいと思った。と言ってもせいぜい中学受験からの私立中学進学くらいでインターナショナルスクールや留学を視野に入れているわけではないので教育投資か資本の蓄積かという問題ではないかも知れないが。

r>gというのは以前から幾度となく目にし気になっていたが大作の21世紀の資本論に手を出すのは躊躇っていた。そのため、本書によって一端に触れられて良かった。

ただ要約と言うのは大変便利だが、一冊読み通すと違った感想になることも多いと思う。例えば、マーケティングで有名なコトラーは要約では4P(7P)やSTP分析を紹介されることが多いが、私自身はニーズについての考え方(WANTSとNEEDS)が最も重要だと感じた。要約は要約者の考えによって左右されるのだ。

本書を通してピケティの著書はとても面白そうな本だと感じたので、いつになるか分からないが是非挑戦してみたい。

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